浅葱の花にとまる蝶
どんなに傷や病も私が触れて「癒せ」と念じればたちまち治すことの出来る不思議な力。
その代わり癒した傷や病の痛みが倍になって私に襲いかかる。
限りなく死に近い状態の病だった場合、自分の死を代わりに蘇らせることができる。
死者も同様だ。
死ぬはずだった者を蘇らせるのだから世の理を保つ為に必要なことなのだろう。
例外として、自分に力を使う事は出来ない。
これは何度か試して見たがダメだった。
普通、自分達の初めての子供がこんな得体の知れない力を持って生まれたと知ったら気味悪がってどうにかしそうな物だが私の両親はどうもしなかった。
良く言えば楽観的、悪く言えばお花畑な両親は私が得体の知れない力を使っても「まぁ蝶ちゃんは魔法使いさんみたいね〜」と喜んでくれたものだ。
ただ、反動があると知って「あまり使わないように」「人前では使ってはいけない」と言い聞かせられたくらいだ。
その為、先程のように周りにバレないようにこっそりと力を使っている。
(人が怪我するの、嫌だもんね…)
大切な人の命を助けられるのなら自分の苦しみなどあってないようなものだ。
(あれ?ちょっと私かっこいいかm「終わったか?終わったな。説教の続きをしてやる、来い!!」)
忘☆れ☆て☆た
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!」
…あの両親にしてこの娘あり。