愛溺〜番外編集〜







初めての集まりということで、体育祭実行委員の役割を伝えられ、今日はそれで終わった。

どうやら生徒会と協力して、体育祭を成功に導くようだ。


「楽しみだなぁ、体育祭」

こんなにもワクワクしている自分がいて不思議だ。
けれど高校最後の体育祭なのだ、楽しみたい。


「愛佳って本当は行事ごとが好きだったんだね」
「そうみたい。涼介はあまり好きじゃないの?」

「うーん、嫌いというより興味がなかったのかな。
でも今は愛佳のおかげで楽しみだよ」

「じゃあこれからは涼介も行事ごとを好きになってもらうからね!私が連れ回すんだから」


まだまだ行事ごとは残っている。
楽しかった思い出として残したい。


「もちろんだよ。
愛佳が楽しそうにしてると、俺も楽しくなる」

「それって私が楽しんでなかったら意味ないじゃん」

「逆に俺だけが楽しむ時って言えば、愛佳に手を出してる時だ…ほら、怒らないで」

「も、もう嫌いだ!」


すぐそんなことを言う。

確かに意地悪なことをしてくる時の涼介は、すごく楽しそうだけれど。


それは入れて欲しくない。
私が恥ずかしい思いをしなければならないのだ。



「本当のことを言っただけなのにな」

「も、もっと他にないの!?ゲームとか、そういうの。
友達と遊ぶとかでもいいし…」

「愛佳といる時が一番楽しい」
「…っ」


ハッキリと言い切った涼介の言葉に胸が高鳴る。
嫌いと言ったばかりなのに。

自分の心、体に嘘はつけない。

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