愛溺〜番外編集〜
「俺を置いて勝手に帰るし、敵の女を家に上げてるし。天帝の総長、かなり怒ってるよ」
「そ、そんな…」
「もちろん俺も怒ってるんだよ?
どう責任とってくれる?」
腰に手をまわされ、もう涼介から逃げられそうにない。
ここは素直に謝る他なかった。
「ご、ごめん…でも、本当に未央ちゃんを放っておかなくて」
「さっきからずっと彼女を優先して、俺のことは放置していいんだ?」
「えっ…」
「俺は怒ってるんだよ愛佳」
じっと涼介に見つめられる。
残念ながら、彼の考えが伝わらない。
「怒ってるのはわかってるけど…」
「じゃあ俺の相手もして」
「え?」
「俺の機嫌をとってよ、愛佳」
私の頬に手を添える涼介。
どうやら私が未央ちゃんの相手ばかりして、不服に思っていたようだ。
「……仕方ないな」
未央ちゃんに惹かれたんじゃないかと不安に思っていたため、今の涼介を見て安心感を抱く自分がいた。
そのため今は彼の願いに答えてあげる。
涼介の首に腕をまわし、そっと唇を重ね合わせた。
普段私からキスなんて滅多にしないけれど、今日は特別大サービスである。
「…んんっ」
けれど涼介はそれで許してくれず。
私が唇を離そうとすれば、後頭部に手を添えてきたのだ。
強引で、甘いキスに息が乱れる。
「誰よりも愛佳が一番かわいいね」
私の反応を見て、涼介が満足そうに笑う。
未央ちゃんがお風呂に入っているのを良いことに、涼介はとことん私を狂わせてきた。