愛溺〜番外編集〜
些細な動作ですらも愛おしい。
いっそのこと乱して、狂わせて。
甘い声で鳴かせてやりたい。
そこから指を離し、今度は直接唇で触れる。
自由な手は愛佳の太ももに添えていた。
まだ服の上から触れているのだから褒めてほしい。
これでも十分我慢している。
「……ん、あ…」
愛佳が先ほどよりも大きな声を上げた。
かわいく、甘い声。
寝ている彼女は大胆にも、その声を抑えようとしない。
そして───
「……りょ、すけ…?」
愛佳が俺の名前を呼んだ。
さすがの彼女も、異変に気がついて目を覚ました様子。
愛佳が起きたのをいいことに、もう少し反応を楽しもうと舌でそこを這った。
「やっ…あ、何して…」
「静かに。白野さんが起きちゃうよ?」
「……っ!?」
彼女がようやく今の状況を理解した様子。
隣には白野未央が眠っている。
あまり大きな声を上げて暴れると、白野未央が目を覚ますことだろう。
「さ、さいて…」
その唇を塞ぐようにしてキスをする。
俺を罵りながらも、キスをすれば素直に目を閉じて受け入れるのだからたまらない。
「もうダメ、バレちゃうから…」
「俺が頑張ったご褒美、くれないの?」
「な、何言って…」
まさか敵がこの家に乗り込んできたと思っていないだろう。
俺の言葉の意味を理解できない愛佳は戸惑っている。
「ほら、早く愛佳」
「…っ、ただキスしてほしいだけでしょ」
なんて、何も知らないながらも、大人しく俺にキスをする愛佳がたまらなく愛しくて、結局手を出したい気持ちを抑えるのに必死だった。