愛溺〜番外編集〜
甘えることを学びましょう
テストを終え、待ちに待った結果の日が訪れてきた。
私は過去最高の点数をとり、学年2位という結果に満足していた。
「涼介、聞いて!
ほとんどの教科が過去最高点だったの」
「本当?よく頑張ったね」
「2位とか初めてだから嬉しいな」
ここまで来たら1位をとりたかったけれど。
どうやら私は涼介に敵わないらしい。
「そんな嬉しそうな顔してはぐらかしても無駄だよ?
約束は守ってもらうからね」
「うっ…」
やっぱり涼介はあの約束を覚えていたのだ。
良い感じに話を逸らそうと思っていたが、厳しい涼介がそれを許さない。
「絶対に私の方が頑張ったのに…涼介が1位だなんて」
「俺も愛佳の知らないところで頑張ってたんだよ」
「私って涼介に何も敵わないのかなぁ」
それはそれで少し悔しい。
家事だって涼介もできるわけだし、全てにおいて涼介に劣っている気がする。
「そんなに自分を蔑まないで?
逆に俺が愛佳に敵うわけないよ」
そんなこと言って。
何でもできる涼介は、劣る私を嫌にならないのだろうか。
なんて、ふと不安に思ってしまう。