悪役令嬢ですが、チートが目覚めて溺愛されています
私だって幸せになりたい
病棟は戦場だ。
亜里は今日受け持つ患者の情報収集をし、朝礼が済んでから点滴を用意にとりかかる。
大きな点滴バッグに瓶から注射器で取りだした薬剤を注入していると、ピンコンピンコンと心電図モニターが不吉な音を鳴らした。
すぐに亜里のペアの新人看護師が患者の元へ走っていく。
亜里はミキシング台から目をこらしてモニターを見た。
(あの癌患者さんか。昨日オムツ替えをしたとき、もうもたないかもって思ったんだよね)
「亜里先輩、平松さんが眼球上転して……!」
戻ってきた新人は、青ざめた顔で報告した。
モニターで表示された血圧が、急激に下がっていく。
さっきまで普通にしていた患者が、急に血圧が低下してあっさり亡くなってしまうのは、よくある話だ。
「慌てない。リーダーに報告して、個室に部屋移動。先生を呼んで」
亜里は後輩に指示を出し、点滴を一旦置いた。
(もうダメだ。これで午前の仕事が回らないことは確定した)
この病棟は、あらかじめリーダー看護師が決めた二、三人のチームで協力して動くことが決まっている。
先輩は後輩の指導とフォロー、後輩も先輩が休憩中の時は二人分の患者を受け持つことになる。
亜里は今日受け持つ患者の情報収集をし、朝礼が済んでから点滴を用意にとりかかる。
大きな点滴バッグに瓶から注射器で取りだした薬剤を注入していると、ピンコンピンコンと心電図モニターが不吉な音を鳴らした。
すぐに亜里のペアの新人看護師が患者の元へ走っていく。
亜里はミキシング台から目をこらしてモニターを見た。
(あの癌患者さんか。昨日オムツ替えをしたとき、もうもたないかもって思ったんだよね)
「亜里先輩、平松さんが眼球上転して……!」
戻ってきた新人は、青ざめた顔で報告した。
モニターで表示された血圧が、急激に下がっていく。
さっきまで普通にしていた患者が、急に血圧が低下してあっさり亡くなってしまうのは、よくある話だ。
「慌てない。リーダーに報告して、個室に部屋移動。先生を呼んで」
亜里は後輩に指示を出し、点滴を一旦置いた。
(もうダメだ。これで午前の仕事が回らないことは確定した)
この病棟は、あらかじめリーダー看護師が決めた二、三人のチームで協力して動くことが決まっている。
先輩は後輩の指導とフォロー、後輩も先輩が休憩中の時は二人分の患者を受け持つことになる。
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