悪役令嬢ですが、チートが目覚めて溺愛されています

「この水を抜けば腹がへこむのか」

 仰向けで寝たまま、ジョシュアが問う。

「一時的にね。でも病気が治るわけじゃないから。今まで通りの生活を続ければ、またすぐ元通りよ」

 冷たいとも思えるアリスの言葉に、逆にジョシュアは納得したようだった。

「悪い水が湧き出るのは、俺の体内が悪くなっているせいだってことか」

「この世界では、あなたの病気がどれだけ進んでいるかはわからない。生活改善でよくなるかもしれないし、ならないかもしれない」

「やれやれ。まるで先が見えないな」

 ジョシュアはふうと息を吐き、天井を睨んだ。


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