悪役令嬢ですが、チートが目覚めて溺愛されています
誤解が解けるとき

 数日後。

「ふあー……」

 アリスはふかふかのベッドの上で目を覚ました。

「おはよう。今日は国王陛下に呼ばれている。これに着替えて」

 一足先に起床していたルークが、クローゼットにかけられているドレスを指さす。

 上等なドレスは、アリスの持ち物ではない。国王が与えたものだった。

 庭園で怪我人を治療すると同時に大広間で行われていた食事会は中止となり、いっせいに片付けられた。

 外が暗くなる前に重症者は全員そこに運ばれた。

 アリスは寝ずに重症者のケアに当たり、三日後にやっと夜から朝まで眠ることができた。

 重症者の状態がほぼ安定し、国王が招集した医師団が到着して交代が可能になったらかだ。

「ん~……二度寝させて~」

 疲労回復しきっていないアリスは、布団にもぐりこんでしまう。

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