恋泥棒の犯行予告
昼に有が席を離れて六花のところにいったとき、ふとした違和感を覚えた。
1つはいつもなら人に話しかけるときは気味悪いくらいの笑顔を浮かべている有が真面目な顔をして六花の席に寄っていったこと。
もう1つは有が立ち上がったのを確認した藤原の顔から笑顔が消えたことだった。
2人の仲は悪いわけでもなければ良好というわけでもない。
人を見て顔を曇らせるというのはあまりにも大人げない行為だと俺は思っている。
そして、藤原は外面だけはよく気を許していない人に対してはいつもニコニコと笑顔を向けている。