恋泥棒の犯行予告
トタトタ、と俺との距離を詰めてくる笹川。
白い指がす、と目元に伸びてきて反射的に目を瞑る。
「アンタ顔疲れてるよ。クマもうっすらとできてるし悩みでもあるの?」
「んーまぁ色々あってね。高校生も楽じゃないよな」
「ほんとそれね。悩みあるなら聞くよ。役にはたたないと思うけど!」
それだけ言って、ばいちゃ、と友だちの方へ駆けていく笹川。
俺、そんな顔に出てる?
夜遅くまで勉強するの控えた方がいいか、それとも六花にメイクを教わるかどっちがいいだろう。
後者を想像すると、ぷぷっと笑いがこぼれた。