恋泥棒の犯行予告
「最近どんな感じ?」
散々悩んだ挙げ句、やっぱりオーソドックスにスタバだろうということに落ち着いた。
コーヒーの香りが充満する店内のソファに腰かけて、有がそう訊いてきた。
「どんな感じもなにも、ほんといつも通り」
六花が大泣きした日から何か関係が変わってしまうんじゃないかと少し心配したけれど、それはもう驚くほどにいつも通りだった。
いつも通りに俺の部屋に来て、勉強して、お菓子を食べて、雑談して、勉強して。
「つーかさ、」
ずずず、と勢いよくコーヒーを啜った有が言う。
「もっと攻めればいいんじゃねーの? 待ってたってどーしよーもねーだろ」
「それはそうなんだけど……」