恋泥棒の犯行予告

有ならできるかもしれない。

自分に絶対的な自信があって、その上短気。

でも、


「俺はさ、良くも悪くも六花のことが好きすぎるんだよ。六花の意に反するような形で自分のものにするなんて絶対したくないし、それに、」


六花に彼氏ができそうになったとき、俺は何も言えなかった。

どうすればいいと思う? と訊かれて、六花の好きにすればいいんじゃない? と答えた。

気に入らないから別れろだなんて、そんな自分勝手でわがままな話はないだろう。


「ふーん……お前も色々考えてんのな」

「まぁね。でも、情けないことに、俺は待つことしかできないから、考えたってしょうがないんだ。最後に決めるのは六花だしさ」


女々しい。ほんと女々しい。

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