恋泥棒の犯行予告

右手にはシャーペン。

なぜかお腹が熱いほどあったかくて、……って。


「六花じゃん……」


俺の足の間に座り、頭は船を漕ぎながら気持ち良さそうに眠る女の子。

花柄で淡い色のパジャマからは、優しく甘い香りがする。


「ちょっと、六花。いくらなんでもこれは近すぎ」


ゆさゆさ、肩を掴んで揺らしてみても、反応がない。

今日思い立って寝間着を夏仕様にしたことがここで仇となるなんて思ってなかった。

六花の熱が、薄い寝間着を通りすぎて直に伝わってくる。


「んぁ……ヒナ、おきたの?」

「それはこっちのセリフ。なんでこんなとこで寝てるんだよ」

「だって、へや来たらヒナが寝てて……私もねむくなったの……」


あれ、待てよ、デジャブだ。

さっきの夢はお告げだったのか。

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