恋泥棒の犯行予告
ぼーっと空を見ていると、遠くを飛行機が飛んでいるのに気づいた。
ご丁寧に、飛行機雲を引っ提げて。
「私も眠くなってきた……」
穏やかな時間の流れ。
少し前までの浮気がなんだ、別れ話がなんだと言っていたのが嘘のようだ。
もっとはやくから日世の言葉を認めていればよかった。
床に寝そべって後悔の気持ちを整理してると、ふと机の上でスマホが鳴った。
「ヒナのじゃん……」
画面を見ると『有』の一文字。
スマホの持ち主はすやすやと寝息をたてている。
いいか、私も顔見知りだし。
そう軽い気持ちで電話を取った。