恋泥棒の犯行予告
小学生でももっとマシな喧嘩をするだろうな、と自分でも思うほどのレベルの低さだ。
まさか、高校生になってまでこんな喧嘩するとは思ってなかった……。
「仲良しなところごめんね、2人とも。今日は生徒さんが来るから六花の部屋に上がっててくれる?」
2人の喧嘩を仲裁するかのように発されたお母さんの言葉。
うちの家では週に1回、家のリビングを使って小さい子ども向けの英会話教室をやっている。
だから必然的に、うるさい私と日世は2階へ追いやられるのだ。
「わかった。行くよ六花。五月さんの邪魔になっちゃう」
机の上をさっと片付けて言われた通り私の部屋へ向かおうとする日世の前に、ガタリと大袈裟に椅子を引き、慌てて立ちはだかった。
「部屋片付けるから……5分だけ待っててくれる…?」