手を繋いで
『初めて』
 デートも初めて。キスも初めて。私の『初めて』は、全部タケちゃんだった。

 私がバイトのない日は必ず一緒に帰った。それだけで私にとっては立派なデートだった。ファストフード店、レコード屋、古着屋、プリクラ。週末はお泊り。

 手を繋いで歩く、タケちゃんとのデート。

 おもしろくて楽しくて。何より優しかった。そばにいてくれることが嬉しかった。

 時々、私は友人関係で悩むことがあった。その度タケちゃんは私の話を聞いてくれて、『自分の彼女が悩んでるのは嫌だ』って言ってくれた。その度キスをしてくれた。私はタケちゃんに支えられていた。
< 2 / 8 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop