ユートピア
第13話
 ユウスケの言う通り、ヤマギシという刑事は実在し、直接会うこともできた。そして渡す、ユウスケのネックレス。さっきまで、私のものだったネックレス。

「ありがとう。」

 ヤマギシ刑事は優しく言った。それだけ。

 ユウスケを知る、調べる術がなかった私は、勇気を出してユウスケのことを問う。でもヤマギシ刑事は何も答えてくれなかった。私は警視庁から放り投げられる。空を仰いだ。

 ユウスケ、どこにいるの?

 どこかにいるのなら私は、ユウスケの為にツバメになる。

 だからユウスケ、どこにいるの?
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