crazy for you

再び

次の日。



予定もないしベッドでゴロゴロしていた



__グゥ〜



夕方になり朝から水しか口にしてなかったからさすがにお腹が鳴った



1階のキッチンに行って冷蔵庫を開けると、中はガラーンとしていて



あったのは調味料やソースだけ



そう言えば昨日の朝、明日買いに行こうと思ってたんだった


「なんか今日1日無駄にしちゃった感すごいなあ〜」



さすがに何か食べたいしコンビニに行こう



そうと決めた私の行動は速い



今まで過ごしてたパジャマから、オーバーサイズのパーカーと黒のスキニーに着替え



軽くメイクした



どこに行くにもメイクしているから、例えコンビニに行くだけでもメイクしなきゃ気が済まない



そしてケータイと財布を持ち家を出た



昨日はケータイをいじってて、人とぶつかってめんどくさいことになったから



ケータイもいじらず、よそ見もせずに真っ直ぐ前を向いて歩いた



すると目の前から歩いてくる集団の中に見たことがある顔があった



あ、春翔先輩だ



中学の時に私が好きだった先輩



冗談だけど、一緒に花火をした時に嬉し過ぎて死んでもいいって思ったくらい好きだった人



間違いない。



過去にだけど憧れだった人。簡単に声なんかかけれなくてちょっとだけ下を向いた



「あれ?夏恋?夏恋だよな?久しぶりだなー、俺のこと覚えてる?」



びっくりした、まさか向こうから声かけてくれるなんて



私は思いっきり顔を上げて答えた



「もちろん!覚えてますよ、春翔先輩ですよね!こんばんわ!」



「おー!覚えててくれてたんだ、嬉しい」



すると周りにいた人たちが、誰?と春翔先輩に聞いた



「こいつは俺の中学の2個下の後輩で、夏恋っていうの、俺にとっちゃ妹みたいな奴」



嬉しい、まさかそんな風に思ってくれてたなんて



急な”妹みたいな奴”発言に気を良くした私は思いっきりニヤけた



「初めまして、瀬戸夏恋です!」



本当はニヤケ顔だけど笑顔に見えるように微笑んだ



「名前も顔も可愛い!春翔!てめぇこんな可愛い子、俺に黙っておくなんてふざけんな!」



「は!そんなことお前だけには言わねぇよ!」



「はああ?ひでーな、俺泣いちゃうよー?」



「勝手に泣いてろ」



目の前でコントしてる春翔先輩は今も本当にかっこいい



「で、夏恋はどこの高校通ってんの?」



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