永世中立でいたいんだけど、そうさせないのが君たちだよね 〜龍になっております〜
ゆいは運転席から助手席の方へと身を乗り出して私をはじき、めいの服に掴みかかり引き寄せた。
「…なに」
めいの顔は今まで見た事もないような不快な表情をしていた。目は吊り上がり、口元はキュッと結び眉間には深くシワが刻まれている。
「ゆい、なにやってるの!やめなよ!」
掴んだ手を必死に解こうとするがなんとも凄まじい握力…。元剣道部の部長として勧誘したいくらいだ…。
「今更、しらばっくれたりしないよね。これなんなの?」
そう言うとゆいは店長とのチャットのやり取りをめいに突きつけた。めいは突きつけられたスマートフォンを奪い取るとそのまま駐車場に投げてしまった。パリンッとガラスの割れる音がする。
「「…え?」」
ゆいはその音で正気に戻ったらしい。
めいは興奮していて癇癪気味な勢いでゆいに言い放った。
「私よりも第三者の話を信じるんだ。今まで私たちは何をしてきたの?!」
「ふざけないでもらっていい?あんたのせいでどれだけ今まで苦労したことか。」
コンビニの入口付近に駐車したゆいの車の周りに人集りができ始める。何事か、と美女の喧嘩を物珍しげにひとり、またひとり…と。
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