永世中立でいたいんだけど、そうさせないのが君たちだよね 〜龍になっております〜

「あ…」
クロウは本と杖をぎゅうっとお腹で握りしめて怯えている。匂いは人だ。獣ではないことは確かだ。茂みから姿を現したのは男女6人でクロウの同級生と見られる子供たちだった。私を見るなり驚いて叫び失神する凄い驚きようだった。クロウは優秀だったからか私を見てもここまで驚くことはしなかった。だがクロウの様子がおかしい。さっきまで自慢げに全身でジェスチャーしながら話していたクロウは私にピッタリくっついて震えていた。
「どうしたの？クロウ。あいつらじゃないの？クロウが一気に片付けたって言ってた子たち」
そうクロウに語りかけたが6人の中の体格のいい男の子が大きな声で
「そいつは龍族の言葉なんか分からないぞ！それに俺たちの学校で1番の弱虫さ！」
それに続いて背の小さい女の子も
「そうだよ！あなたになんて言ったか知らないけど龍族の言葉も理解できないようじゃこの先やっていけないよ」
私は唖然としていた。クロウはいじめられていたのだ。