永世中立でいたいんだけど、そうさせないのが君たちだよね 〜龍になっております〜
「…来たら…ダメだ…って…ずっ…と言って…た…のに……」
こんなにも身体をグチャグチャにされてなお私に笑顔を向けるクロウに
「バカ、殺される寸前だったのに…どうして…」
また涙が溢れてきてしまった。流れ落ちる涙に触れた土は砂金へ、レンガは金塊へと金色の色に変化していく。
どうすれば昨日のような身体に戻せるのだろう。どうすれば潰れている瞳を昨日の美しい瞳に、戻せるのだろう。私にはどうすることも出来なかった。すると突然拍手が聞こえた。
ーーぱち、ぱち、ぱち、ぱち…ーー
その音の主は頭上にいた。それは真紅の龍族に跨ったショートカットで銀髪の女だった。あれは…
「…ゆい」
確かにゆいだった。
「凄かったねぇ、期待以上でしたよ。純白の龍族さん」
ゆいは私だと気づいていないようだった。真紅の龍族は私をまるでゴミのような瞳で見つめてくる。
「彼は王族から黄金を盗んだという罪に問われていました。」
ゆいは事の真相を語り始める。
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