永世中立でいたいんだけど、そうさせないのが君たちだよね 〜龍になっております〜
「あの2人なら多分書庫にいるんじゃないかな…それとも中庭かな…」
このブレイン・ブローの都市には多くの龍族の保護施設が設けられているため、私も保護対象の龍族として預けられているがそろそろ空を飛びたい。保護された龍族には約束された温かい食事と寝床と部屋が与えられる。その代わり、自由がない。私の部屋には毎日大勢の研究員や賢者、皇族が私を見世物のように扱っているような気がする。重い鎖は前よりも厳重になり、動きずらくなった。
「ねぇ、クロウ。2人と会いたいんだけど、来てくれるかな…」
クロウは少し考えた後に首を縦に降った。
「きっと来てくれるさ。俺が2人に話してみるね」
クロウは私の首元に身体を埋めながら
「でも今は俺といる時間だよ。」
クロウの感情は寂しさで溢れていた。クロウは自我感情操作部門と呼ばれる敵に感情を読まれないための学部門でも最優秀賞を獲得したらしいがこの状況で感情を隠す力を使わなかったのは精一杯の愛をクロウなりにアランへ伝えたかったのだろうか。
「まったく〜クロウは相変わらずお子ちゃまだね!!」
私はクロウを抱き込むようにして背中を丸めながら横に倒れた。
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