如月の空の下、光る君を見つけた。
「おわったぁ...」


「色んな意味でね」


「いやいや、今回は絶対追試しないから!夏休みは陽翔くんのことだけ考えて生きるって決めてるの!」


「はいはい、そうですか」


「何よ、その言い方!酷くない?」


「そんなのいっつもでしょ。ほら、さっさと帰るよ」


「ごめん。私、先生に呼び出しされてるの。先に帰っていいよ」


「あっそ。じゃあ、バイバイ。せいぜい頑張って」



ふぅ...。


最大関門を突破した。


あとは図書室でじっとその時を待とう。


私はお気に入りのスクエア型リュックに置き勉していた物品を全部入れて背負い、冷房の効いた図書室に移動した。


< 58 / 98 >

この作品をシェア

pagetop