如月の空の下、光る君を見つけた。
「オレたちCRESCENTは、今年一杯で解散します」
今日もまた流れている。
何度見せられても鳥肌が立つ。
この会場のざわめきも、時折聞こえるファンのむせび泣きも、全てまだ信じられない。
「まさかことりが行った日に解散宣言するなんてねえ...。ことり、大丈夫?」
「私は大丈夫。どうせ飽きてきてファンクラブ抜けるつもりだったし」
「そうなの?本当に大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫!それより私、今日は職場見学なんだ。お母さんが出たら私も10分後くらいに出るから急ぐね」
「あら、そうだったの?お母さんに言わなきゃダメじゃない」
「言ったところでお母さん忙しくて忘れちゃうでしょ?だから内定出てからちゃんと言う」
昨日はライブで今日は職場見学。
お盆に突入する前のラストチャンスになんとか滑り込んだ。
みっちゃんに説教された日から私の部屋からは一切のヲタクグッズが消え、最後のライブに向けて作ったうちわはその日のうちにごみ袋に入れた。
そうでもしないときっぱり忘れられないから。
彼らも次に進むんだから私も進まなければならないんだ。
今日はしっかり就活してさっさと内定もらって働き始めないと。
今までのブランクを埋めるべく、必死になって夏を駆け抜けたのだった。
今日もまた流れている。
何度見せられても鳥肌が立つ。
この会場のざわめきも、時折聞こえるファンのむせび泣きも、全てまだ信じられない。
「まさかことりが行った日に解散宣言するなんてねえ...。ことり、大丈夫?」
「私は大丈夫。どうせ飽きてきてファンクラブ抜けるつもりだったし」
「そうなの?本当に大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫!それより私、今日は職場見学なんだ。お母さんが出たら私も10分後くらいに出るから急ぐね」
「あら、そうだったの?お母さんに言わなきゃダメじゃない」
「言ったところでお母さん忙しくて忘れちゃうでしょ?だから内定出てからちゃんと言う」
昨日はライブで今日は職場見学。
お盆に突入する前のラストチャンスになんとか滑り込んだ。
みっちゃんに説教された日から私の部屋からは一切のヲタクグッズが消え、最後のライブに向けて作ったうちわはその日のうちにごみ袋に入れた。
そうでもしないときっぱり忘れられないから。
彼らも次に進むんだから私も進まなければならないんだ。
今日はしっかり就活してさっさと内定もらって働き始めないと。
今までのブランクを埋めるべく、必死になって夏を駆け抜けたのだった。