空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
葬式当日以降は悲しむ時間もない内に色々なことが決まり、私の生活も変わっていった。
祖父母の家に行く準備をしながら、たくさんの思い出が詰まった家を出ていく覚悟をしなければならず、悲しんでなんていられなかった。
父のいない我が家というのは出張の時と同じようで違っていた。
元々父は出張で留守にすることが多かったとはいえ、また会えるという安心感があった。
だけど、今はもう存在自体がこの世から消えて無くなった。
その事実を脳が強く感知する瞬間がある。
3人で食事をする時だ。
父の話題が一切出てこない。
――お父さん、今頃何食べてるかなぁ?
――今日は大阪に行ってるからたこ焼きかな?
――いやいや、大阪と言ったらお好み焼きでしょ!
そんなことを言いながら夕飯を食べていた過去の日々が懐かしい。
食卓を一緒に囲まなくても、そこには確かに父の存在が感じられた。
でも今は......いない。
どこを捜してもいない。
まざまざと痛感させられて私は食べる気にもなれなかったが、麦茶で流し込むようにして生きるための栄養を取っていた。
祖父母の家に行く準備をしながら、たくさんの思い出が詰まった家を出ていく覚悟をしなければならず、悲しんでなんていられなかった。
父のいない我が家というのは出張の時と同じようで違っていた。
元々父は出張で留守にすることが多かったとはいえ、また会えるという安心感があった。
だけど、今はもう存在自体がこの世から消えて無くなった。
その事実を脳が強く感知する瞬間がある。
3人で食事をする時だ。
父の話題が一切出てこない。
――お父さん、今頃何食べてるかなぁ?
――今日は大阪に行ってるからたこ焼きかな?
――いやいや、大阪と言ったらお好み焼きでしょ!
そんなことを言いながら夕飯を食べていた過去の日々が懐かしい。
食卓を一緒に囲まなくても、そこには確かに父の存在が感じられた。
でも今は......いない。
どこを捜してもいない。
まざまざと痛感させられて私は食べる気にもなれなかったが、麦茶で流し込むようにして生きるための栄養を取っていた。