空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
玄関を出ると小さな水溜まりが目に飛び込んできた。

昨日朦朧とした意識の中でも私の視界に飛び込んできた水溜まり。

蒸発して大分小さくなったんだね。

水溜まりを覗き込むと私の顔が逆さまに歪んで映って見えた。

空はどうだろう。

見上げた空は青空。

その雄大なキャンバスには一筋の飛行機雲が描かれているだけだった。

真っ青でクリアな空だなぁ。

きっと神様が笑ってるんだ。

笑えて良かったよ。

泣いた後はやっぱり笑わないとね。

空も、颯翔くんも、

笑顔が一番似合うよ。


「駅まで一緒に行ってもいいかな?」


ふと素直な気持ちを呟く。


「オレに聞かなくても瀬生さんの気持ちは決まってるでしょ?」

「あはは...そう、だね」


不器用だけど真っ直ぐ。

そうやって歩いていけばいつかは光りが差し込む。

願うよ。

信じるよ。

キミと見る明日の空を。

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