空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
「瀬生さん...ごめん」


颯翔くんが謝る。

なんで謝るの?

颯翔くんは何も悪くない。

悪いのは勝手に一目惚れして、颯翔くんのこと何も知らないくせに突っ走った私だ。

暴走してガードレールにぶつかって車に傷をたくさん作った後、ガソリンが漏れだして引火して爆発したようなものだ。

お願い...謝らないで。

私、すっごく惨めだ。


「大丈夫。私、振られるの2回目だから慣れてるんだ。颯翔くんとこうやって2人でいられるのもすっごく嬉しいし、今幸せなんだよ。だから、大丈夫。私のことは心配しないで。これからも良き友として颯翔くんのことを支えて行くから」

「ごめん...。瀬生さんの想いに気づいてたのに、何にも出来なかった。本当にごめ...」

「ごめんごめん言わないで。大丈夫って言ってるじゃん。あっ、そうだ!海行こうよ、海!この前海開きしたしさ。ねっ?」

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