空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
噴火寸前になった私は皆から離れて背を向けながら空を見上げた。
青空を悠々自適に飛んでいく鳥たち。
雲はゆっくりと流れていく。
白い雲はわたあめみたいで美味しそうだな、なんてことを幼稚園児時代に家族で来た時にお父さんの前で言ったらお父さんは空に向かって口をぱくぱくさせていた。
空に手を伸ばして雲を掴むふりをしたあとじゃじゃ~んと効果音を鳴らしてわたあめを出してくれた。
懐かしい...。
夏祭りより、花火大会より、潮風を感じながら空を見上げる方がやっぱり好きらしい。
「碧萌、捕ったぞ!」
「海くんさすがだね。だけど私いらないや。持ち帰る前にどっかに落としちゃうから」
「んだよ、それ。せっかくとってやったのにさ。じゃ、夏帆にやるわ」
夏帆ちゃんは急に3匹も仲間が増え、戸惑う。
「私もそんなにいらないよ」
「マジかよ。なら、そこら辺歩いてる子供にでもやるか」
海くんがそう言ってふらふらと歩き出す。
「海くん、待って!」
夏帆ちゃんが慣れない下駄で一生懸命走る。
私も2人を追おうとしたら、たっくんがまた腕を掴んだ。
「もう、いいじゃん。2人で行こう」
「う、うん...」
やっぱり怒ってる。
ずっと怒ってる。
私が怒らせちゃったのかな。
たっくんは私の方を振り向きもせず、とにかく前に前に歩みを進める。
その背中から感じる怒りのオーラは回りにも波及しているみたいで、すれ違う人たちが怪訝そうな顔で私達を見てひそひそ喋っていた。
私は何も聞かないし見ないように心がけながらたっくんが立ち止まるその時まで黙って着いていくことにした。
痛む足を気にしながら。
青空を悠々自適に飛んでいく鳥たち。
雲はゆっくりと流れていく。
白い雲はわたあめみたいで美味しそうだな、なんてことを幼稚園児時代に家族で来た時にお父さんの前で言ったらお父さんは空に向かって口をぱくぱくさせていた。
空に手を伸ばして雲を掴むふりをしたあとじゃじゃ~んと効果音を鳴らしてわたあめを出してくれた。
懐かしい...。
夏祭りより、花火大会より、潮風を感じながら空を見上げる方がやっぱり好きらしい。
「碧萌、捕ったぞ!」
「海くんさすがだね。だけど私いらないや。持ち帰る前にどっかに落としちゃうから」
「んだよ、それ。せっかくとってやったのにさ。じゃ、夏帆にやるわ」
夏帆ちゃんは急に3匹も仲間が増え、戸惑う。
「私もそんなにいらないよ」
「マジかよ。なら、そこら辺歩いてる子供にでもやるか」
海くんがそう言ってふらふらと歩き出す。
「海くん、待って!」
夏帆ちゃんが慣れない下駄で一生懸命走る。
私も2人を追おうとしたら、たっくんがまた腕を掴んだ。
「もう、いいじゃん。2人で行こう」
「う、うん...」
やっぱり怒ってる。
ずっと怒ってる。
私が怒らせちゃったのかな。
たっくんは私の方を振り向きもせず、とにかく前に前に歩みを進める。
その背中から感じる怒りのオーラは回りにも波及しているみたいで、すれ違う人たちが怪訝そうな顔で私達を見てひそひそ喋っていた。
私は何も聞かないし見ないように心がけながらたっくんが立ち止まるその時まで黙って着いていくことにした。
痛む足を気にしながら。