空よりも海よりもキミのことを知りたかった。
私は瞳を占拠する夏帆ちゃんに向かって呟いた。


「海斗くんのこと、気になる?」


夏帆ちゃんは振り返り、私の両手を包んだ。


「わたし...好きみたい。助けてもらったあの日から。だから...その...」

「私に任せて。私、夏帆ちゃんの友達だから」


何いってんだろ、私...。

そう思っても口からは想いに反する言葉が出てくる。


「来月の花火大会に海くんも誘うよ。だから、夏帆ちゃんも一緒に行こう」


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