転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
ヴァルテリは侍従のショーベリンと5人の衛兵を連れ、バードリー伯爵の家へ向かった。

バードリー伯爵の家は王宮から馬を飛ばして1時間ほどのところにあり、行くまでにそこまで大変ではなかった。


「今すぐ、ここの屋敷にいるものをこの部屋に集めるように。」

バードリー伯爵の家につくとヴァルテリたちはバードリー伯爵の家族を含め、働いているものを応接間に集めた。

そして3人の衛兵が応接間に残り、他は屋敷中に散らばり横領の証拠がないか探していた。

すると、バードリー伯爵の寝室にあった机から屋敷の改修にかかった見積書が出てきた。

他にも定期的にお金がバードリー伯爵のもとへ集まっていたことが示された文書などを見つけた。

それらは横領の証拠としてヴァルテリに押収された。

「夫が何かしたのでしょうか。」

バードリー伯爵夫人は何があったのか状況をつかめていないらしく、王宮へ戻ろうとしたヴァルテリ一行を止めた。

「バードリー伯爵は自分が財務大臣の地位に就いたことを利用して国の予算を横領していました。

夫人、何か心当たりは?」

バードリー伯爵夫人は本当に心当たりがなかったらしく、何度も首を横に振っていた。

「夫はここに戻ってこれるのでしょうか。」

「今はまだ何とも言えません。
バードリー伯爵が罪を認めれば早く戻れるのかもしれませんが。」

ヴァルテリは夫人にそう言い終えると侍従と衛兵とともに王宮へ戻っていった。
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