転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
「国王陛下にご報告いたします。

バードリー伯爵の屋敷にてこちらの資料を押収いたしました。

今後の指示についても陛下の意向にすべて従います。」

ヴァルテリはルーメンティーに報告をした後、心配そうに待っていたアイリーンのことを強く抱きしめた。

「ここは私の執務室なのだからほどほどに。

後のことはこちらでどうにかしよう。
後任の財務大臣にふさわしい人はいるか？」

後任にふさわしい人と言われ、ヴァルテリはすぐには答えられなかった。

また、同じようなことが起きてしまうと王室の信用問題に大きくかかわるからであった。

「すみません。

今はまだ誰が後任にふさわしいのかわかりません。」

ヴァルテリは素直にルーメンティーにそう伝えると、ルーメンティーはなぜだか満足げだった。

「それでよい。
もし今ここで後任の名前を言ったら私は絶対にその人は外しただろう。

私も国のために親身になってくれる人を探しておこう。

今日はもう休んでいい。
アイリーンとふたりでな。」

ルーメンティーは意味深な言葉を最後に残したが、ルーメンティーの言葉に甘え、アイリーンとヴァルテリはその日他に何をするわけでもなく、家族４人の時間を楽しんだ。
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