転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
部屋の中で待っていたリンネたちに簡単に身だしなみを整えてもらい、4人はバルコニーの窓を開けた。

この日のために解放された王宮の庭にはたくさんの国民たちが新国王夫妻の登場を待っていた。

バルコニーの窓が開いた瞬間に国民の熱量は最高潮まで上がった。

「皆様、本日はお越しくださり、ありがとうございます。
本日より国王に即位したヴァルテリ・アルヴァドスです。

私は国王に即位すると決まった時から、あることをずっと考えていました。

それはこの国を国民全員でよい方へ導きたいということです。

残念ながら現在は爵位を持つものしか王宮に出入りが許されていません。

そして議会は妻を除き、女性の立ち入りが禁止されています。

しかしそれでは、この国をよい方に導くことができるとは私は思っていません。

そこで、来年度からの議会は爵位を持っていない皆さんでも参加できるように貴族を含め、試験で決めたいと思います。

もちろん、貴族にはあってないような試験にはしません。
皆さんと同じ試験で、合格した者のみが議会に参加できる制度を作ります。

今はまだ準備段階ですが、数ヵ月以内には国内すべてに試験についてお知らせします。

私たちと一緒に新しい国を作りましょう。」

話し終えたヴァルテリは国民に向けて深々とお辞儀をした。

アイリーンもまた国民に向けて宣言をした後、深々とお辞儀をした。
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