転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
アイリーンとヴァルテリはどんどん採点を進めていき、すべての採点が終了したのは夜中の１時に差し掛かろうとしているところだった。

当然、サクラとハイメはとっくに自分の部屋に戻って眠っていた。

「やっと終わったわね。」

手を上に伸ばしながらアイリーンはヴァルテリに声をかけた。

「徹夜にはならなかったけれど、だいぶ時間がかかったな。
お疲れ、アイリーン。

こっちは合格点に達しているのが４人しかいなかったけど、そっちは？」

「こっちは８０点超えているの２人しかいなかったわ。
どっちも貴族じゃないのに頑張って勉強したのだからふたりとも最終試験まで合格してほしいわ。」

やはり８０点という合格点はかなり高かったらしく、ふたりが採点をしたなかだけだと、合格率は１４パーセントと低かった。

「ちょっと、向こうの様子を見てくる。

アイリーン、疲れただろうから先に休んでいいよ。」

ヴァルテリはアイリーンを部屋へ送り届け、リンネにアイリーンの着替えを頼むと、部屋を出ていった。

そしてヴァルテリは残っていた採点を手伝い、４００枚近いすべての採点が終わったのは午前３時だった。

「最後まで手伝ってくれてありがとう。

明日は休みに調整してあるからゆっくりと疲れを癒してくれ。」

ヴァルテリは採点をしていた試験官のことをねぎらい、後は休んでくれと声をかけた。

ひとりになったヴァルテリは合格者がどれほどいるのか、暫定的にまとめた。

こうやってまとめることによって、明日楽になるのだった。

合格者は全体で３６人。およそ１０分の１にまで減った。

ちなみに今回の試験で合格となるのは３０人なので、一次試験でかなりの人数を絞れたということになる。

この結果に関して、ヴァルテリは少し驚いていたが、もしかしたら次の試験ですべてが決まるのではないかと少し期待をしていた。

そしてヴァルテリもアイリーンに遅れること３時間、自室にて眠りに入った。
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