転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
「これ、ハイメに似合うかな？」

ヴァルテリがクローゼットの奥の方から取り出したのは子供用のジャケットだった。

子ども用もジャケットは３０着くらいあった。

色や装飾など異なっていたので、その日の気分などに合わせて変えることができた。

「これは？」

目の前に何着か広げられたジャケットを見ると目を輝かせていた。

「私が子どものころ、何か行事があるときに来ていたジャケットなんだ。

ちょっと派手だけど、普段使いができないものでもないから、その日の気分に合わせて好きなジャケットを着るといい。

私が持っていても切れるものではないから、全部上げるよ。」

目の前に広げられているジャケットが自分のものになると知ったハイメは早速触っていた水色のジャケットにそでをとおした。

「いいの？
やった！」

ヴァルテリの前でくるくる回ると何度も何度も「似合ってる？」と聞いてきた。

「その姿、お母様たちにも見せてあげよう。
ハイメ、行こう。」

はしゃいでいるハイメの手を取り、ふたりは政務室に戻った。
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