転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
「リンネ、着替えを手伝って欲しいの。」

アイリーンは隣の部屋に控えていたリンネにそう伝えると、リンネとともに自室へ戻った。

自室のクローゼットから取り出したのは白の軍服。

正装とされている軍服だった。

軍服は男性の着用するものであるが、王家の女性も有事の事態には男性とともに戦うという意味を込めて作られていた。

そのため、アイリーンの軍服には飾りは一切なく、赤のたすきがかけられているだけだった。

その軍服を身に纏い、ヴァルテリの部屋にあった剣を取り、腰に携えた。

そして、ペーパーナイフを手に持つと、腰のあたりまであった髪を肩の長さのあたりで切り落とした。

「第二部隊を謁見の間へ集めてください。
私もすぐに向かいます。」

外に控えていた騎士にそう伝え、アイリーンは残った身支度を整え、謁見の間へ向かった。
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