転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
「なぜ、我が国を襲うのです?」

アイリーンは相手の剣を自らの剣で抑えながら聞いた。

「領土を拡大するためさ。
いい加減諦めたらどうだ?

国王もいない国なんて遅かれ早かれ消滅する運命だ。」

「国王陛下は必ずお戻りになります。

それまでは私が代理でこの国を守ります。」

そのアイリーンの言葉にキール帝国の兵士は高笑いをした。

「あんた馬鹿なの?
帰ってくるわけないじゃん、俺らが殺したのだから。

目障りなんだよ、この国自体がよ!

だいたい、普通気がつかないか?
応援に行ったにもかかわらず、ここまで兵士が来たことがおかしいと。
あっ、女の人じゃ疎いからわからないか…!」

「黙りなさい、さもないとあなたを私は許しません。
陛下はそう簡単にあなた方にやられるわけがありません。」

「許してもらわなくたって結構だ。
どうせお前ら全員死ぬ運命だ。」

アイリーンはずっと相手の剣を抑えることしかしなかった。

しかし、最後にその言葉を聞いてからは違った。

軽い身のこなしで相手の攻撃をかわしつつ、相手の手を狙って剣を振るう。
相手が剣を落としたすきに遠くのほうへ剣を飛ばし、とどめを刺した。

とどめが刺された兵士はその場に倒れた。

ほかの兵士と闘いながらもその様子を見ていた第二騎士団の騎士たちは一気に本領を発揮し、次々と敵を打ち負かしていった。

第二騎士団の騎士は総数20に満たないが、剣術が認められたもののみが所属しているため、優勢になるのに時間はかからなかった。

アイリーンも負けじと次の兵士へ向かい、先ほどと同様に身軽な剣さばきでどんどん倒していった。
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