転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
それからアイリーンは4日間自室から出てこなかった。

リンネがどんなに声をかけても続き扉の鍵も廊下に面しているドアの鍵も開くことはなかった。

毎回廊下に食事は置かれるものの、スープ以外は一切手が付けられていなかった。

そんな様子を心配した前国王夫妻は扉の鍵を無理やり壊し、アイリーンの私室へ入った。

「アイリーン・アルヴァドス、いつまでそうしているつもりだ。
いい加減に現実と向き合いなさい。」

ルーメンティーに声をかけられ、アイリーンは顔をあげた。

ルーメンティーは涙をこらえていたが、カルロティーはこらえられず、泣いていた。

「なぜ、敵の情報を鵜呑みにする。
その情報が確かなのかを国王代理ならば確かめればよいだろう。」

アイリーンは涙を拭きとり、ルーメンティーのほうを向いた。

「そうですよね、お義父さま。
ありがとうございます。」

アイリーンは少しふらふらとしていたが、すぐにキール帝国に現状を確認する書簡を作成した。

「外にいるのでしょう、中に入って。」

そして外でずっと待機していた護衛騎士にその書簡を託し、キール帝国へ使いに出した。

「アイリーン、ずっとここで一人でさみしい思いをさせた。
もっと早く、ここに来るべきだったのに、すまない。」

ルーメンティーはアイリーンにそう伝えるとカルロティーとともに部屋を後にした。

ルーメンティーたちが部屋を後にした後、生気を取り戻したアイリーンはリンネに手伝ってもらい、湯あみをした。
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