転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
「本日は、記念すべきデビュタントである。
そして今年デビュタントを迎える令嬢にはキャンベル大公家の子女、アイリーンがいる。
アイリーン・キャンベルはこの国の危機を未然に救ってくれた。
そして仕事がなく、苦しんでいる人々も救った。

この功績はたたえなくてはならない。
アイリーン・キャンベル、私の前へ来なさい。」

ルーメンティーから直々に呼ばれたアイリーンは困惑し、ニコラスのほうを見たが、ニコラスに「行ってきなさい」と後押しされ、アイリーンは国王の待つ玉座のほうへ歩みを進めた。

そしてアイリーンは歩を進め、国王と王太子の前まで来ると静かにお辞儀をした。

「顔を上げなさい、アイリーン・キャンベル。
そなたにはオベリア王国で偉大なる功績を若いうちから残している。
そこで、そなたにはスリジエの称号を贈る。

そして、スリジエの称号の副賞としていくつか褒美を用意した。
好きなのを選びなさい。」

ルーメンティーが用意した褒美は３つ。

建国以来初めてとなる女公爵の称号を与え年間１億ユーラルの収益をあげる領地を授け、王太子ヴァルテリと婚約する。
女公爵の地位と５０００千万ユーラルを与え、王太子ヴァルテリと婚約する
女公爵の地位と王族から給金の支払われる計１００人の侍従とメイド、を与え、王太子ヴァルテリと婚約する。

この国では年３０ユーラルあれば食にも生活にも一切困らない生活が送れる。
１００ユーラルあれば侯爵程度の身分であれば家族の生活はもちろん、使用人も３０人ほど雇うことができる。

つまり、国王が与えようとしている褒美は一生何もしなくても暮らしていけるようなものであった。

この破格な褒美にアイリーンを含めた全員が驚きを隠せなかった。
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