転生令嬢の悪役回避術ー心を入れ替え女王になりましたー
アイリーンが案内されたのは王宮の南棟３階にある王族専用の居住スペースだった。

「ここがアイリーンのために用意した部屋だ。
気に入ってくれるといいのだが、どうだろう？」

ヴァルテリが扉を開け目に入ってきたのは、カントリー風の家具で統一された部屋だった。

「大公から聞いて、アイリーンはカントリー風のものを好むと聞いていたのだが、この部屋は好きになれそうか？」

「はい！
とってもこの部屋は素敵です！

こんな素敵な部屋にこれから住めるなんて私、幸せです！
ありがとうございます、ヴァルテリ様。」

この部屋を見たアイリーンはとても喜び、ヴァルテリにそのまま抱きついてしまうのではないかと思われるくらい近くによりはしゃいでいた。

「喜んでくれてよかった。
そう、先に送られてきたドレスなどはクローゼットに入れておいた。
あと、私からのプレゼントも何着か入れておいたから、着てくれると嬉しいな。」

早速アイリーンはクローゼットを開け、自分のものではない、見慣れないドレスの中からひとつ取り出し自分の体に当ててみた。

「きれいなドレス！
私に似合ってますか？ヴァルテリ様。」

「あぁ、とても。

アイリーンのブラウンの髪色にとてもあってるよ。
このドレスを選んでよかった。」

アイリーンに用意したドレスはマーメイドラインのデザインで上半身は白に近いとても薄い水色、スカート部分は上半身よりも濃い水色で青のレースが上から被せてある。
そして全体に小さなガラスのようにキラキラしたものがこれでもかというくらいにちりばめられていた。
ヴァルテリはアイリーンの髪色を考え、濃いドレスでは喧嘩してしまうと思い、この淡いドレスを選んだのだが、それはとてもあっていた。
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