幼なじみの彼は王子様
ピンポーン ピンポーン

インターフォンの音が聞こえて目が覚めた私は、部屋の窓から外の様子を伺った。

時刻は午前10時。

宅急便かな?

「ちょっとお待ちください〜」

階段を降りながら、外にいる人に聞こえるように返事をした。

肌寒くなってきたこの季節に季節外れの部屋着を着ていた私は、昨日リビングのソファーの上に投げたカーディガンを羽織って玄関の扉を開けた。

「お待たせしてすみま……」

目の前には予想外の人が立っていた。

「瑠衣……」

「おはよう、ほのちゃん」

「おはよう」

冷たい風が吹いているのに何故か体が熱い。

「い、家のなか入る?」

「う、うん」
< 26 / 27 >

この作品をシェア

pagetop