未来は霧のなか
素直に亮太に甘えた。
「ヒロ。可愛くなったな。」
亮太は満足そうに言う。
「そう?変わらないよ。」
私が言うと
「男を知ると、女は変わるんだよ。」
と亮太は雑誌の受け売りを言う。
私は笑いながら
「男は どうなの?女を知ると 変わるの?」
と聞き返した。
「男は 二種類いるかな。エッチすると 飽きちゃう奴と、エッチしてからの方が、好きになる奴。」
亮太も 笑いながら答える。
「リョウはどっち?」
私は甘く聞く。
「わかるだろう。後の方だよ。」
と亮太は、少し 照れながら答えた。
私は 嬉しくなって、亮太に腕を絡める。
「だからヒロには、勝てないの。」
と私の頭を、ポンと叩く亮太。
胸がキュンとする幸せな甘さ。
美佐子の恋にも、こんな瞬間は あるのだろうか。
亮太に寄り添いながら、私はふと思った。