未来は霧のなか
バレンタインデー。私は 手作りのチョコクッキーを 亮太に渡した。
「ヒロが作ったの?マジで。」
亮太は驚いた顔で私を見つめる。
「うん。美味しいかどうか。不安。」
私は照れて頷く。
学校で、千恵に ラッピングしてもらった ピンクのリボン。
亮太は 丁寧にほどいて、一つ食べる。
「ウマい。うん。マジ、ウマいよ。ヒロ、ありがとう。」
放課後のドーナツショップ。
嬉しそうに笑う亮太。
色々な大きさの、ハートのクッキー。
表面を チョコでデコレーションして。