未来は霧のなか

亮太と結ばれてから 私達は 何度も体を重ねたけれど。

私は その日、初めての衝撃に包まれた。
 


私の体は、ファミレスを出る時から変だった。

それまで感じたことのない、不思議な感覚。

亮太が 手を触れるだけで 体中が熱くなった。
 

亮太の部屋に入ると 私は 自分から 亮太に抱き付いた。
 

「どうしたの、ヒロ。」

甘く言って、私にキスをする亮太。
 
「わからない。変なの。自分が。」

体の中を 何かが 走り抜けるような感触。

どうすればいいか、わからないまま。


私は何度も、亮太にキスをする。
 


亮太も、私の情熱に 引き込まれていく。

亮太の指が 私のどこに触れても 電気が走るような感触に包まれて。

私は 呼吸が荒くなっていく。
 


「ヒロ、すごいよ。」


一つになった時、私達は 今までと違う世界を知る。
 
「リョウ。」

とうわ言のように、繰り返し。

初めての感触に 身を委ねた時、
 

「ああ。」

と言って、亮太は果てた。
 


気を失うような 感触の後、ぐったりと 放心する私。

亮太は 優しく抱きしめる。
 

「リョウ。私、どうしたのかな。」

私が言うと
 
「ヒロ。可愛い。」

と亮太は 私の髪を撫でて言う。
 


「少しは俺の気持ち、わかった?」

と私の目を見る亮太。


言葉の意味がわからずに、亮太を見上げると、
 

「俺 いつも 今日のヒロみたいに 気持ちいいんだよ。」

だから、いつも 私を抱きたくなると 亮太は言いたいのか。


私がクスッと笑うと
 

「でもさ 今日は特別 すごかった。俺、忘れられないかも。」

と言って、私の髪に キスをする亮太。
 
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