未来は霧のなか
4
8月も終わりに近づいていた。
私がT駅を出て まもなく。
美佐子は歩いて来た。
「暑いね。」と言う、美佐子の私服は 大人っぽい。
胸元が大きく開いたカットソー。
腰にぴったり張り付くスカート。
とても高校1年生には見えない。
「先輩がやっている店、すぐそこだから。行こう。」
と歩き出す美佐子。
デニムのミニスカートにTシャツ姿の私。
どう見ても、美佐子と 同じ年には見えない。
「美佐子の初体験の人?」
気後れする自分を励ますように、私は明るく聞く。
「まさか。ハハハ。先輩は 一人だけじゃないよ。」
美佐子は楽しそうに笑う。
地元だからなのか、私服だからなのか。
美佐子は、いつもより 伸び伸びして見える。