未来は霧のなか
私はあまり、美佐子に 電話をしない。
地元の仲間と 遊んでいる時、美佐子は 電話に出ないから。
本当は、昨夜 美佐子に電話して 聞きたかった。
でも、美佐子が出ないと 嫌だから。
何かあれば、美佐子から 電話してくるはず。
「昨夜、電話 待っていたんだよ。」
私は、美佐子を見て 口を尖らす。
「ごめん、ごめん。信太郎と別れた後、遊びに行っちゃったから。」
美佐子は、手を合わせて 拝むような仕草をした。
「で信太郎、キス 上手だった?」
私は、少し躊躇して 美佐子に聞く。
美佐子は、ケラケラ笑って
「ドヘタ。」
と言った。