未来は霧のなか

「T市からだと、どのくらい かかるの。」

私の言葉に、
 
「家から学校までだと、1時間くらい。ダルいよ。T市、来たことある?」

と美佐子は 私に聞く。
 
「ううん。1回も無い。」

私は、笑って答える。

美佐子も笑いながら
 
「用が無ければ、来ないよね。」と言い、
 
「そのうち、おいでよ。遊びに。」

と優しい笑顔で言った。


私は 嬉しくなって、コクリと頷く。


まるで、好きな男の子に 誘われたみたいに。
 
 





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