未来は霧のなか
「恵美、何の用事だったの。」
教室に戻った私に、典子が聞く。
「うん。ちょっと。」
と言って私は、仲間達を手招きした。
教室の後ろの 隅に丸くなって 恵美に聞いたことを話す。
「えーっ。」
と驚く仲間。
「まだ、はっきりわからないんでしょう。私 後で お姉ちゃんに聞いてくるよ。」
と輝美が言う。
輝美のお姉ちゃんは 同じ学校の3年生だった。
みんなが神妙に頷く。
美佐子は、みんなにとっても 仲間だから。
地元のことは、知らないけれど。
学校の中では 一緒に騒ぐ楽しい仲間。
典子も千恵も、輝美もあゆみも。
みんなが大きなショックを受けていた。