未来は霧のなか
「じゃ、彼女になれよ。俺と付き合えよ。」
あまりにも突然の告白。
ホームに向かう 階段の途中で。
全然、ムードも無くて。
「えっ。」
私は 驚いて顔を上げる。
顔を赤くした亮太が、静かに頷く。
美佐子のことで いっぱいだった私の心は 別のドキドキで いっぱいになる。
「急に。こんな所で言わないでよ。」
戸惑う私は、怒ったように言う。
「ごめん。で、返事は。」
亮太は 少し不安そうに私を見る。
私が小さく頷いて、
「いいよ。」
と言うと、亮太は やっと笑顔になった。