未来は霧のなか

亮太は 手を繋いだだけで それ以上は 求めない。


亮太も ドキドキしている。多分。


わかっているから、歯がゆく思う。
 


もっと 余裕を持って、リードされたい。

私の小さな反発も 笑って受止めるくらい。



亮太のことは 好きだけど。

亮太の思いも 伝わってくるけれど。


背伸びをしたい私は 素直に甘えられない。
 


それでも 一緒にいる時間が 増えるほどに、私達は 恋人らしくなっていく。


名前を 呼び合うことにも慣れて。


帰り道 駅から私の家まで 手を繋いで歩く。


一歩一歩。



亮太と 手を繋いでいる時間が 私を素直にしていた。
 
 



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