未来は霧のなか

私の心は　好奇心と　亮太への好意に　どんどん捉われていく。


亮太との関係は　温かくて幸せで。

私を甘く輝かせる。

高校生らしい恋。


美佐子が　目の前にいないから。

美佐子を意識しなければ、私は　普通の高校生だった。
　


「期末　終わったら　クリスマスだね。ヒロ、何がほしい？」

亮太は優しく聞く。
　
「えー。急に言われても。思いつかない。」

私は　甘く亮太を見上げる。

亮太は　熱い目で私を見て
　

「何か、考えておけよ。」と言った。
　


「ありがとう。リョウは？何がほしい？」

私の心は　甘い満足で　優しくなる。
　
「俺はいいよ。」

と亮太は　困った顔で私を見る。


私は、ふいに　クスクス笑いだす。
　
「なんだよ。何、考えているの。」


不審気に私に問い質す亮太。
　
「私にリボンかけて贈る？そういうＣＭ、あったよね。」


私が　笑ながら言うと　亮太は　繋いだ手を引き寄せて　私の肩を抱いた。
　
「挑発したな。覚悟しておけよ。」


と私の頭の上で言った。